元請業者にも足場の点検義務がある!足場の日常点検を解説

足場は高所作業になるため、転落・墜落事故など労働災害を防ぐために十分な安全管理が必要です。

その安全管理の1つに足場の日常点検があります。

足場は日常点検のほかに、法律で定められたタイミングで元請業者にも点検の義務があります。

ここでは、足場の点検についてご紹介します。

足場の日常点検のタイミングと点検範囲

足場は労働安全衛生規則第567条及び第568条に基づき、日常点検が義務付けられています。

足場の日常点検のタイミングと範囲、点検者は以下となります。

作業前…作業を行う範囲について事業者の職長が行う

組立て・変更・一部解体後…足場の全範囲について、事業者の職長と注文者が行う

悪天候後…足場の全範囲に対して、事業者の職長と注文者が行う

作業前点検は足場事業者が行います。

明日の組立て・変更・一部解体後と、悪天候後については、足場業者と注文者（元請業者）双方が点検を行う必要があります。

また、2023年10月より、足場の点検を行う際、点検者を指名することが義務付けられます。

足場の日常点検の方法

足場の日常点検では、作業床、手すり、筋交い、ネット、壁つなぎなどの部材に損傷はないか、緩んでいないか、外れていないか、脚部に沈下や横滑りはないか、などを中心に点検します。

日常点検では足場だけでなく、足場の作業床や足場の周辺に資材や工具などが放置されていないか、風に飛ばされやすい物が置かれていないかについてもチェックします。

また、現場の作業員に対して足場の日常点検の目的、いつ、だれが点検を行うのかを周知しておきます。

足場の点検表の入手方法

足場点検表は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

「足場自主点検表」という点検表がありますので、ダウンロードして使用します。

ただし、足場の種類により確認項目が変わる部分もありますので、ダウンロードした点検表をベースに、必要に応じてチェック項目を使用する足場に合わせて変更したものを使用します。

また、足場点検表は足場作業が終了するまでの期間保存する必要があります。

足場は適正な日常点検が必要

足場は、労働安全衛生規則に基づき、その日の作業開始前、足場の組み立て・解体・一部変更後、悪天候後に足場用墜落防止設備（手すり・中さん及び幅木等）等の点検が義務付けられています。

現状として、足場の点検を実施しているものの、点検内容が法令等で定められたものを満たしていないケースなど、点検が不十分な現場もあります。

足場の点検を怠ると罰則の対象にもなり、労働者や近隣住民の安全にも関わりますので、法令に基づき適正な点検の実施が必要です。