ー台風などの強風による足場の倒壊を防ぐための補強・倒壊対策ー
台風や突風などの強風が原因の足場の倒壊・崩壊の災害が多発しています。
そのため、足場の強風対策として、足場の補強が必要です。
今回は、足場の補強方法、倒壊対策について解説します。
悪天候時では足場の作業を中止する
夏から秋にかけて日本では台風が多く襲来します。
また、春先は強風が吹くこともあり、同時に竜巻が発生することもあります。
このような強風時には足場の作業を中止しなければならないことが定められています。
法律で定められている基準
労働安全衛生規則第522条では
「事業者は、高さ2m以上の箇所での作業を行う場合においては、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない」
と定めています。
悪天候の基準値
悪天候に該当する基準値も次のように定められています。
強風…10分間の平均風速が毎秒10m以上の風
大雨…1回の降雨量が50mm以上の降雨
大雪…1回の降雪量が25cm以上の降雪
中程度の地震…震度4以上の地震
これらの悪天候後は、足場事業者、注文者が足場の点検を行う必要があります。
控えで足場を補強する
足場の「控え」とは、足場が倒壊しないように地面から単管などで斜めに入れる突っ張りのことで、「やらず」とも呼ばれています。
控えは壁つなぎなどの取り付けが困難な場合に足場の補強のために設置し、鋼管用足場を約60度の傾きで設置します。
控えの地面側にはジャッキベースを差し込み、控えが地面に沈下しないようにします。
さらにジャッキベースをしっかりと締めることで地面との緊張状態を維持し、足場の補強の役割を保ちます。
控えは足場が外側に傾くことを防止する足場の補強効果が期待できます。
壁つなぎを設置する
壁つなぎは足場と建物を連結し、足場の倒壊や変形を防ぐための部材です。
建物の壁にアンカーを打ち込み、アンカーを壁つなぎ用金物などで足場に繋ぎます。
壁つなぎの設置基準は、安衛則第570条で次のように規定されています。
「一側足場、本足場又は張り出し足場であるものにあっては、次に定めるところにより、壁つなぎまたは控えを設けること」
壁つなぎを建物に設置する方法は、壁つなぎ専用金物で取り付ける、または、キャッチクランプを使用する、の主に2つの方法があります。
足場は基準に従い、補強措置を取る
近年ではゲリラ豪雨や突風、竜巻などが天気予報に関係なく発生するケースが多く、足場作業では、悪天候に備えた対策が必要です。
台風や突風などによる足場の倒壊が起こらないように、労働基準法で定められた足場の設置基準を遵守し、適切に足場の補強措置を取ることが大切です。
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