くさび式足場は組み立てがスピーディーで、複雑な建物にも対応できる柔軟性が大きなメリットです。
住宅の外壁塗装工事などでも広く活用されています。
今回は、くさび式足場の組み方と隣との境界が狭い場合の対処法をご紹介します。
くさび式足場の組み方の手順
くさび式足場の組み方の手順は次のようになります。
STEP1 脚部の固定
アンダーベースを敷き、ジャッキベースを設置します。
STEP2 1層目の組み立て
ジャッキベースに支柱を差し込み、支柱どうしはハンマーで打ち込んで固定します。
手すりを内側の支柱に固定し、1スパンのみ本足場形式にします。
次の支柱を差し込み、作業床の取り付け位置に踏板をはめ込みます。
作業床から高さ90cmの位置に手すりをハンマーで打ち込みます。
STEP3 2層目の組み立て
支柱を建て込みます。
1層目のブラケットをハンマーで打ち込みます。
踏板から腰の高さに手すりをハンマーで打ち込みます。
3層目以降は2層目の工程を繰り返します。
STEP4 控え柱、火打ち梁、大筋交いの取り付け
控え材や杭は自在クランプで固定します。
控え材と支柱を固定し、水平つなぎを取り付けます。
火打ち梁は、足場の最上部に単管を火打ち状に取り付けます。
狭い場所での対処法
住宅にくさび式足場を設置する際、隣家との境界が狭く、足場の設置が困難な場合があります。
その場合はどのように対応すれば良いのでしょうか。
足場設置のために必要な距離
くさび式足場を設置する際に必要な幅は70cmです。
くさび式足場は足を載せる踏板が幅40cm、両サイドを固定する支柱が10cmのスペースをとるため、余裕を持って70cmほどの敷地があれば設置できます。
隣との敷地の幅が狭い場合は次の2つの対処法を取ります。
単管足場を使用する
単管足場であればスペースが50cm程度あれば設置が可能です。
単管パイプをクランプで固定して組み立てていきます。
お隣の敷地を借りて設置する
お隣との境界の隙間が30cm未満と狭い場合、お隣の敷地を借りて足場を設置することになります。
これは、隣家の方の理解と協力が必要となりますが、足場設置に対して隣家に丁寧な説明をすることで、トラブルなくスムーズに足場設置が進みます。
くさび式足場は法令に従い適切に設置する
くさび式の足場の組み方の手順と狭い場所での対応方法をご紹介しました。
足場は独自の組み方で設置することはできません。
あくまでも法律で定められたルールに従った組み方を取る必要があります。
法令に従い、適切に足場を設置することは、足場上での作業に携わるさまざまな工事関係者が安全に作業できるだけでなく、近隣住民の安全を確保することにつながります。