足場は組み立て後も日常点検をすることが労働安全衛生規則で義務付けられています。
建設現場における足場の組立ては危険を伴う作業ですので、安全管理を徹底しなければならず、安全対策の1つとして日常点検が規定されているのです。
ここでは足場の日常点検について解説します。
労働安全衛生規則で足場組立後の点検が義務付けられている
労働安全衛生規則では墜落防止設備の点検を作業開始前、悪天候後、組み立て・一部解体・変更後の作業開始前の点検と、点検・補修結果の記録と保存が義務付けられています。
2015年の法改正では足場事業者だけでなく、注文者も悪天候後、組み立て・一部解体・変更後の点検が義務付けられ、点検・補修の記録と保存が義務付けられました。
まとめると
事業者の点検・補修義務:作業開始前、悪天候後、足場の組立て・一部解体・変更後
注文者の点検・補修義務:悪天候後、足場の組立て・一部解体・変更後
となります。
足場の日常点検はいつ・誰が行う?
では、足場の日常点検はいつ行うのでしょうか。
日常点検のタイミングは「毎日の作業前」です。
多くの場合、朝礼やKY活動が終わった後に行われます。
点検は事業者の職長が行います。
点検実施者の知識と経験の目安としては以下の資格を保有していることが望ましいと言えます。
・足場の組立て等作業主任者能力向上教育講習修了者
・労働安全コンサルタント
・仮設安全監理者
・足場点検実務研修修了者
足場の作業前点検の内容
作業前点検では作業床、手すり、筋交い、ネット、壁つなぎなどの部材に損傷はないか、緩んでいないか、取り外されていないか?
脚部に沈下や横滑りはないか?
といったことを中心に点検します。
点検では足場そのものだけでなく、作業床に工具や材料など、モノが放置されていないか?
風に飛ばされやすいものが出されていないか?
についてもチェックが必要です。
点検は現場の作業員全員に
・足場の点検の目的
・点検はいつ、誰が行うのか
を周知しておきます。
また、点検の結果、直すべきポイントは作業員全員に周知し、皆で改善していくようにしましょう。
足場の点検は全員で行う気持ちで
足場の点検は、作業前点検については足場事業者が、組立・変更・一部解体・悪天候後は足場事業者と注文者が行うことが義務付けられています。
点検には職長など一定の知識と経験を有する者が行いますが、現場の作業員全員が点検を行う気持ちで日々の作業に取り組んでいくこと、教育計画の中に組み込むことが大切です。
安全を徹底するためにも検査結果を全員に周知していくことも重要です。