溶接とは金属などをつなげる技術で、現代社会のモノづくりには欠かせないものです。
溶接にはいくつかの種類があり、そのための資格もいくつかあります。
そこで今回は初心者でも取れる資格から、経験を積んだのちに取得を目指す資格までご紹介をします。
資格なしで溶接の仕事はできる?
溶接の種類によっては、労働安全衛生法などで定められた国家資格の取得が必要になります。
アーク溶接に携わるには、「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の修了が義務づけられていて、
これは一般的に「アーク溶接作業者」という資格として呼ばれています。
同様に、ガス溶接に携わるには「ガス溶接技能講習」の修了による「ガス溶接技能者」の取得が必要です。
さらに、「ガス溶接作業主任者」の有資格者からガス溶接作業主任者を選定し、
作業方法の選定や作業者への指示などの管理業務を行うことが義務付けられています。
ボイラーの溶接の場合は、必要な資格として「ボイラー溶接士」があり、
使用者は無資格の作業者を従事させていると、
罰則として6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
溶接の資格にはどんな種類があるの?
[ガス溶接技能者]
ガスバーナーを利用して金属をつなぎ合わせる「ガス溶接」を行うために必要とされる国家資格。
これがなければ、ガス溶接をすることができず、溶接の初歩的な資格の一つとされています。
[ガス溶接作業主任者]
ガス溶接を行う際に、指導者としてどのように作業をすすめるかなどの方法を決定し、
従業員に指揮をするための資格です。
[アーク溶接作業者]
放電現象(アーク放電)を利用して金属をつなぎ合わせる「アーク溶接」を行うために必要な国家資格。
アーク溶接とガス溶接の違いは、電気を使うかガスを使うかであり、これは溶接時の温度に影響します。
ガス溶接は3,000度ほどの炎をつくるのに対し、アーク溶接は4,000度ほどの炎をつくります。
[ボイラー溶接士]
ボイラーとは、ガスや石油などの燃料を燃やして水を水蒸気や温水に換える装置。
この資格があれば、ボイラーの製造・改造・修理などに関する溶接をできるようになります。
[溶接管理技術者]
溶接に関する技術と知識だけでなく、施工の計画や作業の管理を行う職務能力を持った技術者を認定する民間資格です。
官公庁からの工事受注に必要な資格で、溶接技能者の上位資格とされています。
「特別級」「1級」「2級」の3段階のレベルがあります。
[溶接作業指導者]
溶接の現場で指導者の役割を果たす、経験の豊かな溶接作業者を認定する民間資格です。
工場の溶接部門の班長や、溶接工事の現場監督など「溶接作業者」「溶接管理技術者」に指示や指導を与える
重要な役割をにないます。
まとめ
溶接の仕事では、資格を取得していくことで、高度な技能が必要とされる業務に携わるなど仕事の幅を広げたり、管理職を目指したりすることが可能です。まずは、アーク溶接作業者やガス溶接作業者を取得して、実務経験を積みながら、さらなる資格の取得を通じてキャリアアップを目指していきましょう。